まさにタイトルどおりの記事が読売新聞に掲載されました。ON-LINE版はこちら。
これは日本固有の生態系を外来種から守ろうということで、環境省が基本方針(案)を作成し、パブリックコメントを募集しました。その結果はこちら(PDFファイルです)。
このパブリックコメントには、私の知る限り釣りビジョンの番組でも「このままではバス釣りができなくなるかもしれない。行政が意見を求めているのだから、自分たちの意見を届けよう!」と短い期間でしたがキャンペーンをうちました。番組の中では「誹謗中傷はダメであり、きちんとしたコメントを実名で」といったアナウンスもされていました。
こういった事の成果かどうかは不明ですが、聞くところによると通常パブリックコメントを募集しても数十件程度しか集まらないそうなのですが、この件については約9500件のコメントが寄せられたそうです。
さて、本題。
記事にはアライグマの例なども取り上げられていますが、見出しは「ブラックバス」,「法対策骨抜きか?」というインパクトのある文字が並びます。ここだけ見ると、「釣り人が法規制を骨抜きにしている」といった印象を受けかねません。
また、日本釣振興会のロビー活動にも触れられていて、釣りを趣味としない人からはやはり「釣り人が勝手に・・・」といった印象を受ける可能性があると感じました。
実は、私もパブリックコメントには自分の意見を送りました。釣りを趣味とはしていますが、バス釣りはやっていない立場での意見です。概ね以下の内容を送りました。
・日本固有の生態系を壊す原因として、外来生物が最大の原因であるならば規制に対する趣旨には賛成である。
・しかし、その外来種が最大の原因と科学的に立証されていない場合にはどうなるのか?(鮎の漁獲高減少が琵琶湖のブラックバス放流禁止へとつながったようですが、本当にバスだけの問題?水質をはじめとする環境汚染も原因ではないの?)
・また、同じ外来種でもマスメディアに取り上げられやすいブラックバスは指定種としてあげられているが、同じ肉食魚で有りながら漁協等が湖沼や河川へ放流活動を行っているマス類については検討されていないように感じる。その線引きはどうなのか?
・密放流等については厳しく取り締まる必要もあるかと思うが、比較的他とは隔離されたエリアで固有種絶滅のおそれが比較的低く、かつ地域経済へ好影響を与えていると思われる場合には除外もあり得るのではないか?全国一律という事は避けた方が良いのでは?
(私の記憶では河口湖には職漁師は全て廃業しており、漁協はブラックバスの魚種認定を行っている。この為、釣りをするには遊漁料が発生し漁協の収入になると共に、周辺の観光施設等の利用もあるため地域経済には良い方向となっているはず。また、河口湖固有種もいなかった・・・はず)
・外来種の認定方法をもっと透明性の高い方法にした方が理解を得やすいのではないか?(環境省が選出した識者が行うとなっていた->ここが不透明と感じた)
・駆除の方法や財源はどの様に考えているのか?魚に限らず、動物や植物も適用対象なので範囲は膨大。
・外来種だけではなく、古来から生息している種でも無秩序な放流,交配による生態系への影響はどう考えるのか?(親戚とは言え、本来アマゴの生息する地域にヤマメを放流したり・・・メダカの放流もそう。大きく分けて西日本型と東日本型があり、厳密には異なる河川へ放流することも遺伝子学的には影響があるのだそう)
といった内容です。
お役所文書なので一通り読みましたがよく分かりませんでした(笑)
ただ、古来から日本に生息している生物を保護することには原則賛成ではありますが、どうも根本的なところから保護を進めているのではなく、なんとなく「とりあえず外来種は締めだそう」というやっつけ仕事的なものを感じたのでコメントを送ったのです。本気で取り組むのなら、もっといろいろな角度から保護や規制を進めないと、いろいろな所で反感をかいそうです。
私の感想では「すんなり手続きが進むと思っていたが、予想外の反響に予定が狂った。悔しい!」という官僚の声がこの様な記事の裏にあるとは・・・考えすぎでしょうか??
必要以上に釣りに対する悪いイメージが増殖するのもどうかな・・・と。