痛ましいテロが続いています。パリ以外でもね。
こういう事件が起きると決まって出てくるのは「平和ボケの日本人」という話。
それって、戒めの意味で使われているのだと思うけれど、むしろ世界規模で見れば喜ばしい事で、羨ましいと思われる事もあるという事。知識として知っていても体験だったりよく考える機会が無ければ想像なんてできない。
つまり、平和ボケができるほどテロや内戦,戦争と縁が無かったという事。記憶が薄れ知識レベルにまで希薄化したという事。
以下は以前に下書きとして書いていて、公開していなかった文章を一部加筆修正しました。
日本はテロ先進国なんですよ。
私の世代だと、日本赤軍,連合赤軍をはじめ、活動家と呼ばれる人達が無差別テロをやっていた事を知っています。三菱重工爆破事件や企業の爆破事件以外にも乱射事件やハイジャック,大使館占拠にあさま山荘事件なんてありました。
超法規的措置なんてこともありましたし、海外の過激派組織と連携したり、軍事的訓練を受けたりするだけではなく教官役にまでなったと言います。一説ではJapan Red Army(日本赤軍)は海外でもその名が広く知られているそうです。
過激派だけじゃなく、オウム真理教による地下鉄サリン事件では死者13名,負傷者約6,300名という被害者の規模だけではなく、化学薬品によるテロという世界的に見ても他にほぼ例が無い手段が用いられています。
こういった前例があるにも関わらず、多くの日本人が「平和ボケ」と言われるのは、現在の国内でテロに合う可能性がとても低いからでしょう。日頃からピリピリしなくても済む。だから記憶が薄れ警戒感が無くなる。むしろ喜ばしい事と思うのです。
今の日本でテロに警戒しろなんて言われても、正直難しいと思いますよ。
先日、パリで起きたテロの後に別の場所でテロが未然に防がれたという事があったそうです。
テロの実行犯がトイレで銃に弾倉を取り付けている音を聞いた、たまたま休暇中の米軍兵が異変を察知してテロの実行前に取り押さえたとか。
ほとんどの日本人が弾倉を装着する音なんて聞いた事が無いのだから、こういう実行犯が身近にいたとして気が付くかどうか。先の例だってたまたま戦地から帰って来て休暇中だった米兵だから気付いた事でしょう。一般市民だったら気付いたかどうか。
要人を狙ったテロならば防げる可能性はあるでしょう。ピンポイントでガードすれば良いから。それだって100%防げるわけじゃないのに、一般市民を狙った無差別テロなんて平和ボケじゃなくたって・・・ね。
ある意味では平和ボケは大いに良い事です。
蛇口から出てくる水を安心して飲める。安心して食べ物を食べられる。夜中に女性が1人で出歩く事ができる。
この状況に慢心しろとは言わないですが、日常生活が平和である事って悪い事なのかなぁ?
日本の平和ボケを戒めるだけじゃなくて、他の国や地域でも平和ボケができる様に協力する事が本当の筋だと思いますけどね。