首相官邸に降りた(落とした)おかげで一躍存在が一般的に知られるようになったドローン。
ま、犯人には全く同情の余地は無い訳ですが。

しかし、報道を見ているとおかしいなぁと思う事があります。

それは、今回飛ばしたドローンのメーカーと機種が報道されている事。今回はDJI社のPhantom?だった訳ですが、これが新聞などでは「中国のDJI社製Phantom?で・・・」と言った具合に報道されていますね。なんで国名と社名まで報道しているのだろう?

確かに、日本と中国は政治の世界ではギクシャクしています。とはいえ、このメーカーや生産国は関係ないでしょう。このメーカーの機体は個人用のドローンとしては良くできていると定評のある製品です。また、積んであるGPSで空港のそばなどでは飛べないようにあらかじめ作られています。今回の事件の後も、国会や皇居周辺では飛べない様に改修するとアナウンスしています。こういったところは他のメーカーよりもよほど前向きに取り組んでいると思えます。

昨年だったか似たような事がありました。そう、3Dプリンターで銃を作ってしまった事件です。あの時、メーカーや生産国名をここまで報道しましたっけ?
3Dプリンターではないですが、拳銃が押収されたとします。「アメリカのコルト社で作られた・・・」なんて報道の仕方はしないですよね?
輸入車が事故をおこしたとします。そのメーカーや製品だけに見られるような原因でない場合、わざわざ「アメリカのフォード社製・・・」とか「ドイツのメルセデス社製・・・」なんて報道はしないです。
今回のドローンがドイツ製だったらこんな報道のされ方はしない様に思いますね。
※ちなみに親戚であるラジコンの世界で飛ぶもの(飛行機とかグライダー,ヘリ)の先進国はドイツ,アメリカ,日本なんですけれどね。

先にも書きましたが、日本と中国の間ではギクシャクした問題があります。これは事実です。
しかし、今回の事件は中国政府が意図的に仕組んだものでも、メーカーの設計や製造に問題があったわけでもなく、使用者個人の問題です。
なんで報道機関が「中国製」と「DJI社製」を繰り返し報道するのかが理解できませんね。

ついでに、飛ばしたとされる日から発見まで2週間程かかったそうです。警備としてはお粗末だとは思いますけれど、実際に飛ばされたら余程のことが無いと飛行中に見つけられないですよ。
今回の様なマルチコプターって結構音はしますけれど、基本は電動機ですからね。数十m離れたらまず気付かないです。ましてや四六時中空を見て数十cmの物体を監視するのも現実的ではないです。

規制も検挙や処罰の基準になることですから早急な整備は必要ですが、それだけじゃね。