少し前になりますが、ヒットしている映画の「永遠のゼロ」を観てきました。
映画を観た方からは良い感想を多く聞いていた(見ていた)のですが、公開に前後して有名映画監督さん等から批判的なコメントが出ていることも知っていました。
私が映画を観た感想は決して戦争や特攻を賛美しているとは感じず、逆に戦争に対する恐ろしさを感じました。

が、炎上商法気味の監督さんは置いておいて(笑)、宮崎監督がコメントを出した時期からすると映画ではなく原作も読まなくては!と思い、原作も読みましたよ。
また、映画を観た後に靖国神社へ改めて行ってきました。過去に行ったことがありますが、度々話題になる遊就館にも初めて行ってきましたし、川崎市の平和館をはじめ、行けそうな戦争関係の資料を展示してあるところにも行ってきました(費用と時間の制約があるので)。だいぶ前になりますが、原爆資料館も広島は数回,長崎にも行きましたし。

まず、永遠のゼロ。
少なくとも、映画からは先にも書きました通り、戦争や特攻を賛美する内容には感じませんでした。主役の岡田さんが生き続ける事へのこだわりを通じて戦争や特攻への恐れや批判をなかなかうまく演じていると思いました。
原作もNHK関係で話題になっていて、私も「海賊とよばれた男」を読んだ百田さんですが、それほど偏った内容には感じませんでした。

靖国神社や遊就館については意見が分かれるのは充分に承知していますが、遊就館の展示を見ていて「兵隊さんすげーっ!」という人も見かけましたし、反対の事を言っている人も見かけました。ただ、少なくともどんな理由であれ、戦争を闘ってきて靖国神社ヘの思いがある方々を「自分は戦争に反対だから」という考えがあるからと言って否定してはいけないなとも思ったのです。時代が違えば価値観も違うし。
私個人としては、遊就館の展示を見て戦争賛美とは思いませんでした。特攻機の桜花や特攻艇の震洋,人間魚雷の回天の展示を見て、正直なところ「これで行って来いと言った人達は狂ってる」が率直なところです。中にはその理不尽さを理解して命令をしていた現場指揮官がいる事も聞いていますが。
※戦記物マンガを数多く描いている銀河鉄道999や宇宙戦艦ヤマトの作者である松本零士さんも「桜花を題材にしたマンガを1回だけ描いたことがあるが後悔している」とある作品で書かれています。

同じ展示を見て受け取り方が違うのは当たり前の事ですが、永遠のゼロをきっかけに教科書でしか知らないようなそういう事についてそれぞれが考えてみるのは良い事だと思います。映画の主役である岡田さんのファンという感じの女性も多く遊就館にいましたが、そういうきっかけを作ったという面では良い映画なのでは?と思ったのです。