今回はたびたび書いている「中抜き」のお話。
私のいう中抜きとは、「仕事の流れの中間にはいるが、別段役目もないのに利益を上げる」という事。
今日は、限りなく実話な中抜きのお話。

ある業者さんがいました。実際にはブローカーとでもいうべき業者さん。
この業者さんが大手企業から開発案件の話を持ってきました。実際に開発を行うのはハードウェア担当の会社とソフトウェア担当の会社。この業者さんは営業面での担当という事になります。
元々、大手メーカーに在籍していたそうで中抜きの意味をよく知っている。だから、技術的な話も「自分を通してくれ」という事になる。通してもらわなくては役割がないから。

ただ、技術面の話ではどうしても範疇外の事がでてきてしまう。それでも間に割って入るから、時としてAという話がA’になるくらいならまだマシで、BとかCになってしまうこともある。よく、開発担当会社の中では「商流は崩さないから技術的な話の時は引っ込んでいてくれ!」と話題になっていた。
話をそのまま伝える伝書鳩にもなっていないのが現実。

勿論、この業者さんにも役割があって、取引に使う「口座」を持っている。昔に比べて口座の開設は難しくなっているから、ここでは意味がある。

しかし、この案件の発注元から「抜けてくれ」と言われしたらしい。発注元と開発担当との間に割って入っているからどうしてもレスポンスが悪くなる。それでいて中間マージンがかかる。よく冗談で「あの業者さん、開発会社からの納入価格を数倍につり上げているんじゃないの?」なんて言われていた。
それは発注元も良く分かっている。

そのうえ、ある程度大きな案件なので与信の問題が出てくる。この業者さんより開発担当会社2社の方が大きいのだ。

こうなると、この業者さんの役割はない。口座と言ったって、発注元の担当が相応のポジションであれば、この業者の口座をクローズして開発担当会社に対しての口座を開くのはそれほど難しいものではない。資材が一番嫌がるのは口座増える事。だから、口座の数が変わらなければ意外となんとかなるもの。

案件を持って来たり口座を持っているという役割があったとしても、適正なマージンを超えた中間搾取的な事をやれば飛ばされる。
ましてや、コストが合わない等の理由で「丸投げ」をやるような会社はいつ外されてもおかしくないという事。
前にも書いたけれど、コストが合わなくて下請けに丸投げをしなくてはならないのならば、その会社はその仕事をやってはいけない。そこが抜ければ、そのマージンを発注元と実働部隊で分かち合って「安く仕事を頼める」し、「今までより受注金額が上がる」という事になる。

軽く書いていますけれど、実際はもっと凄いのよ。小さい案件なんだけれど(笑)