7月に伊勢湾岸道で、片側3車線のうちの第2車線に故障で停車していた乗用車にトラックが追突し、乗用車に乗っていた4人が死傷するという痛ましい事故がありました。
報道によると、乗用車は女性が運転していたところ、「アクセルを踏んでもスピードがでなくなった」という事で、ご主人に運転を代わった直後に追突され、運転をしていたご主人と後部座席に乗っていたお子さん2名の計3名が亡くなってしまいました。
トラックの運転手は「助手席のタバコを取っていてよそ見をしていた」と供述しているそうですし、現場はほぼ真っ直ぐの道路ですからトラックの運転手のよそ見が原因とみて間違いないようです。

しかし、高速道路で停止している車への追突を避けるのはかなり難しいと思います。私は、高速道路上で停止していた故障車に追突しそうになったことが2回あります。

最初は20歳の時の首都高です。
毎日通っていた外注さんの事務所へ行くために首都高を走っていたのですが、2号線上りで緩い右コーナーを抜けたところに故障車が止まっていました。首都高は中央分離帯があるので、ブラインドコーナーなのです。右車線を走っていて、中央分離帯がありますから見通しがききません。視界が開けたその瞬間、目の前にハザードもつけず、またブレーキランプも点灯しないで右車線でとまっている故障車がいて、左車線は様子見と思われる車が徐行(?)位のスピードで並んでいました。つまり、私の前方は2車線とも車が止まっていて、かつブレーキランプやハザードが点灯していませんから「停車している」と気づくのが遅れました。何か光っていれば反射的にブレーキを踏めますが、何も点いていないので速度差を確認して「止まっている!」と気づくのに、どうしてもワンテンポ時間がかかったのです。
幸いにもブレーキを目一杯踏みつけて、故障車の1m位手前で止まる事が出来ました。

次は同じくらいの時期で夜の第3京浜です。
追い越し車線を走っていて、中央分離帯に人が立っているのが見えた次の瞬間、私の車のライトに無灯火で止まっている車が照らし出されました。この時はブレーキを踏みながら左側の車線に逃げましたが、幸いにも左側の車線に車がいなかったので事故にはなりませんでした。

故障車等がブレーキランプやハザード,発煙筒といった後続車に知らせる手段が取られていない場合、通常より急に車間が詰まる事で初めて前方の車が止まっている事を確認でき、更に高速道路は一般道よりスピードが出ていますから気づいた時にはかなり危険な状態だったりします。なおかつ、速度がでていますので、追突すれば被害は大変大きくなります。

伊勢湾岸道の事故の直接の原因はトラック運転手のよそ見だと思いますが、追突された車も走行していた様ですから(報道によれば燃料の噴射制御にトラブルが多発している車種だったそうです)、ブレーキランプなどは点灯していなかった可能性が高く、トラックの運転者が気づいた時には速度差があるのでとても悲しい事故につながったと考えられるでしょう。
また、推測になりますが、追突された乗用車はレンタカーだったという事ですから、日常的に運転をされていない方だった可能性もあり、故障時の対応に戸惑いがあったのかもしれません。

この様な経験から、自分の車には三角停止版が大抵2?3つと、発煙筒が3本積んであります。大した荷物ではないですし、もしもの時に自分を守る道具になるからです。

亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。