最近、とても気になる事。
「自社でやるとコストがかかるから、アウトソーシングをする」というお話。

アウトソーシングには2種類あって、正しいアウトソーシングと間違ったアウトソーシングがあると考えています。
一つは自社に専門の部署を持つとコストがかかるので外部に依頼するという良くあるパターン。本業以外の部門はヘタに自分たちでやるよりも、外部の専門家にお任せしましょう!という前向きなアウトソーシングです。
例えば、歯医者さんの本業は歯を治療して収入を得るのであって、ホームページや広告などは専門業者にお任せするというのは正解です。その方が良い物ができるし。

もう一つは「本業だけれど下請けに丸投げする」というパターン。これは間違えです。
そもそも、「採算が合わないから安い下請けに投げる」という発想がおかしいです。採算が合わないほどの受注しかできないのならば、それだけのコストになるその会社の体質に問題があります。まして受注金額が叩かれまくったのではなく、世間相場だとしたら、その会社はその仕事をしてはいけないのです。最近の大手メーカーなどにありがちですよね。
ここでメーカーさんをあげましたけれど、まだ「メーカー(物作りが本業なんだけど)だけれど、営業活動がある」という役割があるなら良いです。大体の場合は元請さんですね。

ところが2次請けとか3次請けのくせに更に外部に投げるというのは全く持って意味が無い。少なくとも受注できるだけの営業力や看板と言ったものもないし、末端の現場の様にノウハウが貯まる事も無い。存在意味が無いのに口銭(マージン)だけを抜いていたら、いづれ飛ばされます(つまり中抜き)。

特に、情報が速く正確に届く今の時代では、元請と現場が直接コンタクトできる術がある訳です。所謂「B to B」の一例ですよね。そうしたら、中間マージンだけを抜くところは飛ばそうと思われてもしょうがないです。中間業者がいなくなれば、元請は安く発注出来て、現場は高く受注ができる。双方にとって意味があります。困るのは実力が無いくせにお金だけ抜くところ。自業自得です。

90年代末期の頃、ECという言葉が出てきました。確か当時は大手6大商社と言われていたと思いますけれど、こぞってIT関係の子会社を作ったようです。本音を簡単に書けば「メーカーと消費者が直接売買をする様になったら商社の意味が無い」という事。その頃、まさに商社が作ったIT子会社にいましたけれど、本体の親分がそう言っていましたから間違いないでしょう(^-^)
事実、6大商社のうち、何社かは消えてしまって・・・役割のあった会社しか残っていないですよね(笑)

電機メーカーでも私が接するのは某Nさんとか(笑)ですけれど、ドンドン丸投げするから実力が落ちる。実力が落ちるからますます存在意義がなくなるの悪循環です。関連会社も統廃合されるのは良い方で、無くなっちゃうところも結構ありますね。
IT系商社も本当に実力が落ちていますよ。ドンドン技術は新しくなるのに、外部に投げちゃうからノウハウが蓄積できない。付き合っていて実感しますよ(笑)