母親が悪性脳腫瘍と言う事で入院してから、もう10ヶ月。
6月位には家族の顔を見ても誰だか分からなくなっていたし、担当医には去年の段階で「持って夏まで」と言われていた。でも、まだ生きている。日ごろ接している看護師さんや介護士さんの事も分からないみたいだけれど。

母親の場合、運良く大学病院とか、老人健保施設が見つかったので、全てお任せしている。
勿論、入院当初は「ある程度回復したら自宅介護を!」と考えていたけれど、家族の話し合いで「介護をしていたら家族が持たない」という意見になって、施設にお任せする事にした。
そりゃ、当初は「血のつながった母親なのに、世話も出来ないのか?」と反発する気持ちもあったけれど、今となっては正解だったと思う。あのまま自宅介護に入っていたら、家族は仕事も出来ずに共倒れになっていたと思う。
事実、施設にお任せしているのでほとんど手はかからないはずなのに、気の休まる事が無い。

時々、「老老介護に疲れて伴侶を殺してしまった」というニュースを聞く事がある。私は当事者の方ほどの苦労は何もしていないけれど、その苦労は察しがつく。本当に追い込まれての結果なんだな・・・と思う。

いくら肉親で愛情があったとしても、介護の現実は厳しい。働きに行く事も出来ない場合が多いのだから。それを乗り切って介護をされている方々を本当に素晴らしいと思う。

実際、施設にお任せできる事が可能ならば、お任せしてしまった方が良い場合が多いと思う。でも、実際には施設の数は本当に少ないし、かかる費用もばかにならない。うちの場合、父親は年金生活だし、私の収入はまだ不安定で、妹も派遣社員だから安定はしていない。それでもまだ収入はあるのだけれど、現実は父親の定期預金を切り崩してなんとかって言う感じ。それも、介護保険とか健康保険を使って、かなり負担が軽減されているにも関わらず・・・だ。
きっと、施設が見つからなかったり、費用の負担ができなくてやむなく自宅介護をされている方も多いと思う。

デイケアと呼ばれるような比較的軽い介護施設は一杯あるのです。でも、本当に厳しいのは24時間の介護が必要な場合。こういう施設は本当に少ないのが実情です。住民が100万人を超える川崎市だって、数百名分のベッドしかないんです。

肉親だから、「早く死んで欲しい」とは全然思わないのだけれど、やっぱりいつまで続くのか分からないこの生活は厳しい。最近、父親はイライラしているし、妹もそう。
不謹慎に思われるかもしれないけれど、「いつまで続くのだろう?」というのは実感です。