今回、元同僚である方から1通のメールが届きました。
この方は、上司のパワハラと闘って、その件については勝負あり!で有利な方向に進んでいます。
その時の様子を簡単ではありますがまとめて下さいました。

一応、TRJで起きた事ですからTRJのタグは付けますが、TRJに限らずどの会社に勤めていても不当な扱いを受けた際の参考になると思います。実際に不当な扱いを受けている方,身近で不当な扱いが行われている会社にお勤めの方は目を通して見てはいかがでしょうか?

1.自分の状況(強み)を理解すること
まず契約期間の更新などがある契約社員に比べ、正社員は相当な理由(履歴書の詐称、社内での横領などの犯罪行為、非常識な遅刻常習犯等)が無い、もしく
は立証困難な場合は使用者が労働者を一方的に解雇する事はできない。またよくある「仕事が出来ないから解雇」というのもその解雇理由を立証する必要が有
る。
では、なぜ会社は退職勧奨(退職強要)で自己都合に持って行こうかというと、もう一つの退職形態である「会社都合」だとデメリットが余りにも大きい為。
表面上は失業手当の待機期間が長いか短いかという点が話題になるが、「会社都合」だと前後半年の1年間、会社が受けられる様々な助成金を受給できなくなる
(退職日以前半年でそういった助成金を受けていたら返金しなくてはいけない。また、退職日以降半年間も受給できない)から。故に会社は重箱の隅を突くよう
なことでも大げさに騒ぎ立て、「お前が悪いんだ!」と思い込ませ、自己都合の退職に追い込もうとします。繰り返しますが、正社員にはいつ自分が辞めるかの
自由意志があり、会社が強制することは次に上げる理由から違法です。

 

2.証拠を集めること
海外ドラマ「Burn
Notice」の台詞に『相手を脅すという行為は手の付けられない闘犬を飼うようなものである。効果の出る時もあるが、大抵は自分の手を食われる』という
ように退職強要の発言は、完全に違法行為である。民法第709条による損害賠償の対象となるし、内容によっては強要罪も成立する事例がある。
メール、メモなどでも十分に証拠として機能するが、ICレコーダで録音が最大かつ最強の証拠となる(文字起こしをすれば尚よし)。また、録音に関しては特
に相手に断りを入れる必要もなく、秘密録音でも十分である。「同意なしの録音は盗聴とかの違法にならないか?」と心配する点もあるが、そもそも相手は退職
強要という違法行為を行ってる上に、最高裁の過去の判例から相手の同意無しでも録音を違法とした判例は1件も存在せず、全て証拠能力を認めている(ただ
し、録音した内容で相手を脅迫すると逆に自分の立場が危なくなるので、録音した証拠は相手の不法行為を証明するだけにとどめるように)。

 

3.期待しないこと
小説版「ハンニバル」の台詞に『俺たちは組織に色々と期待するが、組織は俺たちに何も期待してない』との下りがあり、上司の執拗な退職強要について総務
に相談した経緯がありましたが、結果から見れば積極的な改善行動を取った形跡が見られませんでした。いくら会社がセクハラ、パワハラの注意喚起をしていた
としても、それは建前だけであり、実際にことが起きれば会社が何を大切にするかぐらいは本心を考慮するまでもないです。結局のところ、自分を救えるのは自分だけ。

 

4.相手の欲しい回答をしないこと
退職強要の圧力が強まり上司から「能力的にもう仕事に追いていけないのか?それとも精神的に限界なのか?」と、今から考えればどっちを答えようと「は
い」か「Yes」としか取られかねない選択肢を突きつけられましたが、こういう場合はよほど強力な根拠が無い限り安易に「もっと頑張ります」とも「やる気
はあるんです!」とも答えてはいけない。ヘタに回答した場合、次に呼び出しを食らったときに「お前はオレに頑張ると言ったけど、ダメだったじゃないか!嘘
をついたのか!」と揚げ足を取られる為。このような場合は「質問の意図が分からないから、どう答えていいか分からない」と相手の求めてる答えを一切拒否す
るか、何も回答せず、相手が選択肢を押しつけて来るのを待つ。社内での呼び出しは警察の尋問と違い、答える必要性は一切無く、また「それだと評価が……」
と思うかもしれないが、退職強要が行われている時点で評価もクソもあったものではないから。

 

5.全員が負ける準備をしておくこと
海外ドラマ「Burn
Notice」に『時にはどうしても勝てないケンカというものある。相手の戦力が余りにもデカすぎて、いかなる戦術的対応も勝利に結びつかない時などだ。
そういった場合、素直に負けを認めるしかないが、負けるにしても全員が負けるようにすること』という台詞がありましたが、結局のところ、会社対個人という
構図、そして相手が全面的に自分の非を認めて謝罪するなどということはまず無いと考えた方がいい。また労基署や労働相談の窓口も常に万能というワケでもな
いので、もし事実が認められなかったり、圧力に負けて「自己都合」に合意してしまった場合、“全員が負ける状況”として証拠を持ってハローワークの窓口に
て離職票を「会社都合」に再申請することができます(流れ的には申請したハロワ→会社が管轄下にあるハロワに確認が行く→当該ハロワが会社に確認→事実確
認後、離職票が変更される→そのあとの流れに関しては1に繋がる)。