この世にはSEと呼ばれる職種の人が大勢いる。
一般ではシステム・エンジニアの略だが、一部ではセールス・エンジニアという解釈もある。今回はシステム・エンジニアの人のお話。

SEと呼ばれる人でも、「とても仕事のできる人」と「まったく仕事ができない人」の2つに分類される。ここまではどの仕事でも同じ。
私の経験&独断と偏見に満ちあふれた定義では、自ら「私の仕事はSEです!」と言う人は概ね後者が多いと定義される。そしてこれら後者に属するSEのお仕事は、現場の技術者や作業員と客先の間に入り、スケジュールや問題点の調整役である事が多い。反面、お仕事のできるSEは仕様の決定を始め、その仕事の先頭に立って皆を引っ張っていく役である事が多い。勿論、こういった調整役のSEでも大変有能な人は存在するが、一目見ただけでは仕事ができる or 仕事ができない人の見分けは難しい。人は外見によらないのである。

しかし、お仕事の出来るSEとできないSEはちょっとしたことで違いを露呈してしまう。

仕事は必ず順調に進むとは限らず、調整が必要な場面が発生するのはつきものだが、こういった場面でお仕事のできないSEの特徴は「確認します」という口癖であり、これで簡単に見分けがつく。何らかの問題が発生して、客先なり担当者にその都度確認をすると言うことは、そもそも事前の準備段階で客先と作業担当者&自分で仕事のイメージが同じになっていないだけでなく、そのイメージが足りない事に起因する。つまり、そのSEの力量が足りないためである。
そしてこうしたSEの「確認」とは、単に伝書鳩の様な伝言役であり、決してとりまとめ役ではない。彼らが自らの意志で考え、調整や交渉を行うという事は極めて希である。

長年、実作業の経験を積んでSE職となった人(経験値が高い=つまり仕事ができる人が多い)がまとめ役となった場合、現場でのトラブルは概ね少ない。なぜなら、実体験に基づいて事前に問題が起きそうな部分を予測し、あらかじめ問題を潰したり回避策を考慮するのは勿論のこと、実際に問題が発生している場面では自分の判断で的確に人を動かすし、客先や現場担当者との交渉や説得もこなして沈静化をはかるからである。その点、お仕事のできないSEは先にも書いたとおり伝書鳩としての機能しか持っていないため、沈静化がはかれない(時として火にニトロを注ぐことをやりかねない)。

私が初めて就職した時に(コンピューター業界ではないが、似たようなもの?)、大先輩達からは「現場の仕事を知らないでSEなんてできない。そもそもそんな仕事を知らない奴に客や現場はついてこない」と言われたものである。私はこの言葉にとても深い意味があると感じたものである。

この数年(よりもっと前からだけど)、伝書鳩SEがとても多い。大学を出て大手メーカーなどに就職し、「SEでござる」と打ち合わせや現場へやってくる人々である。実作業を知らないから何もできない。それでいて、「会社は**だぞ!」と会社の看板だけでお仕事をしている。本人は知らないかもしれないが、そういうSEがまとめ役に入った案件で問題が少なかったとしたら・・・それはとても枯れた仕事か、裏で現場と客が直接コミュニケーションをとって仕事を進めている場合が多いはずだ(笑)
勿論、こういった大手さんでも有能な人はいる。ただし、私の私見では10人に1人位と推測している。そして1人で10人分の売り上げと利益を上げなくてはならない=つまり仕事をしなくてはならないので、大抵とても疲れている(爆)

なぜこういう事を書く気になったか??それは最近身の回りで「確認します」を連発している人物がいたためである。勿論、必須アイテムの携帯とシステム手帳が揃っているだけではなく、お仕事ができないSEの得意技である「現場ですることがない(できる事がない。ただし、本人は監督者という偉い立場だと思っている)ので居眠り」までつくという完璧さだったからだ!(笑)