先週公開になった海賊とよばれた男
私は原作の小説を何度も読んでいて楽しみにしていましたので公開早々のレイトショーへ行ってきました。
終了の時間が悪いのか、ガラガラでしたけれど・・・(笑)
※ちなみに、終了が24時を過ぎる上映で平日でしたので。

流石は山崎監督。絵はキレイです。
門司や大連の街並みは本当にキレイでするタンカーの日承丸(原作では日章丸)も良くできています。
この辺はVFXで実績のある監督らしいですね。
ただ、B29はどうしても飛ばしたかったんだろーなー(^ ^)

全体的な感想ですが、原作がかなりのボリュームがありますから映画サイズに収めるのは大変だったでしょう。
なので、物語の中心部分(まさに海賊的な話)にフォーカスされていますから、門司時代より前とアバダン以降の製油所あたりはかなりバッサリとカットされています。なので、例えば途中木田さん(原作は日田さん)とのシーンがありますが、原作を知らないと「なんでそういう会話なんだろう?」となりかねないですね。
上記の様に結構あちこちカットされたり簡略化されていても、最近の映画は「2時間以内」がひとつの決まり事らしいのですが、この映画は160分です。それでも収まらない・・・
制作が難しいのかもしれませんが、2部構成にするとかじゃないと面白さが半減する気がしました。

役者さんですが主人公の岡田さんは頑張っていたと思います。共演の吉岡さんが「本当に60歳に見える」とインタビューで答えていた様ですが、メイクの具合もあって確かに60代にちゃんと見えます。物語としては20代からつながっていますから、幅広い年代にちゃんと見えますね。
原作の国岡鐵造は背が高く、モデルとなった出光さんも当時としてはかなり高身長だったそうです。今回ピエール瀧さんや鈴木亮平さんのような180cmな世界の方々が出演されていますので、ちょっとその面では迫力が・・・また、武知役の鈴木さんや東雲役の吉岡さん、長谷部役の染谷さんは脚本のキャラクター設定が原作とは違うためか、私にはだいぶ違和感がありました。
武知は国岡商店に入社したのは50歳で、元々陸軍中野学校の教官ですから鈴木さんでは若いですし、原作の武知はもっと肝の据わった人。長谷部ももっと肝の据わった人と言うイメージでした。
この辺りは役者さんのせいではなく、監督も分かっていて苦労したのではないかと想像しています。
※元々は小説ですからあまり問題は無いと思うのですが、結構色々な名前やキャラ設定が違いますよ。

先も書きましたが絵はとてもキレイですし、原作とは違う展開の映画として観れば結構面白いかと思います。
ただ、私にはちょっと中途半端感が残ってしまいましたが(^ ^)