昨年末、新聞にこの本の広告が載っていたので買ってみました。Kindle版なのでポチっとすれば完了(^ ^)

この本は特攻隊として命令を受けながら生還を果たした佐々木さんに取材をした内容を元に書かれています。
なぜ特攻隊として選ばれながら生還することが出来たのかを起点に、軍隊において上官の命令は絶対とされていますが、なぜ反抗したのかや、命令を下した側と命令を受けた側についての差を明らかにしていきます。

この本の中でも簡単に触れられていますが、私は小学生の頃に「二式大艇空戦記―海軍八〇一空搭乗員の死闘」という本を読んでいます。
こちらは特攻隊の誘導機として二式大艇で飛んだ筆者が海軍に入ってから飛行機に乗り、生還するまでが書かれています。
また、この本に登場する佐々木さんだけではなく、実際に出撃の命令を受けて飛び上がった後に色々な理由で帰還している特攻機が存在したことはこの本だけではなく、先ほどあげた長峯さんの本にも書かれています。
これらの事から実際に特攻隊として命令を受けて飛んだ方々は、決して世間で広く語られている美談の様な心境で飛んでいないと言うことが良くわかります。

また、士官より現場の下士官等の方が強い場合がある事は上記の2冊だけではなく、私が読んだ事がある本の中でも有名な大空のサムライにも書かれていますね。

中々興味深かったのは、海軍で特攻作戦を推進したとされる大西中将ですが、なぜ推進をしたのかについても少し触れられています。
推測だったり裏づけが取れていないとは言え、特攻作戦を推進した理由は私にとっては意外なものでした。

よくある戦記物ではありませんので、関心のある方は手にとってみるのも良いと思います。