マスコミの報道に限らずではありますが、ミスリードとも言える事は多々ありますね。
例えば、これは今日(8月14日)の読売新聞夕刊の記事。

8月14日読売新聞の夕刊

8月14日読売新聞の夕刊

これは、コンピューターウイルス作成ソフトを所持していたとして書類送検された少年に関する事件の続報です。少年はウイルス作成ソフトをビットコインで購入したというもの。ちなみに、ウイルスは
「パソコンをロックした」と脅し、その解除費用としてビットコインを要求するというものでした。
まず、少年は出版社のサーバを乗っ取ったとしてて不正アクセス禁止法違反容疑で家裁送致されているそうです。これが主要因ですね。そして少年がウイルス作成ソフトを所持していたとして不正指令電磁的記録保管容疑での書類送検だそうです。2番目の容疑。

という事は、新聞記事の見出しで最も大きく書かれている「ビットコインで購入した」というのはなんの問題もないはずですよね?

事実、少年がウイルス作成ソフトを購入するのに利用したビットコインも、正規の手続きで入手したのであればビットコインの利用そのものは何の問題もないはずです。
これは、こう例えてみると分かりやすくなります。

  • 少年は出版社のサーバを乗っ取った
  • 少年はウイルス作成のソフトを所持していた。そのウイルス作成ソフトはクレジットカードで購入した
  • ウイルスは「パソコンをロックした」としてクレジットカードでの費用支払いを要求するもの

どうですか?
こうなると、新聞記事の見出しに「クレジットカードで購入」とは書かれない気がしませんか?
ビットコインというだけで怪しくなる。

記事の後半には、「ビットコインは匿名性が高く、マネーロンダリング等への悪用が懸念されていて、当局も警戒している」とあります。まぁ、これは事実なんですが。
匿名性が高い換金方法だと、金塊とか塩なんていうのが昔からありますけれど、たぶん実際に金塊で購入したとするならば、わざわざ「金塊で購入した」なんて書かれないですよね?

私は少年がやったとされるサーバの乗っ取りやウイルスの配布(作成ツールで作ったウイルスをばら撒いたとされる)は全くもって擁護する気はありませんし、ビットコインの様な仮想通貨は(少なくとも私は)怪しげだなぁ?とも思っています。
ですが、この記事は先だって騒ぎとなったビットコインの交換所の破たんやそれに続く社長の内部犯行からの一連の流れとして、少年が犯したとされる罪とは今のところ関係ないにも関わらず、新聞の一般読者に「とにかくビットコインはダメだ」という印象を与えます。

これってミスリードというか、本質じゃないところで読者を煽っているというか・・・