まぁ、論文が掲載されてから最近のバッシングまでよく毎日話題になりますね?という感想のSTAP細胞。
結局のところ、この騒動ってなんなのでしょう?
個人的には報道(メディア)のネタ探し

学術界の事はよく分かりませんが、新しい研究成果が論文としてまとめられます。それが発表され、色々な研究者などが追試を行って「うん、そうだね」とか「ダメだね」という評価が決まるものと思います。今回のSTAP細胞って、まだ論文が発表された段階ですよね?その評価はこれからだったはずです。
発表された論文が正しければ評価され、とても凄い成果であればノーベル賞等を受賞して初めて一般の我々が知る事になります。間違いであったりねつ造であったりすれば研究者の間で闇に葬り去られるだけだったことでしょう。

しばらく前になりますが、常温核融合っていうのが話題になり、現時点では安価な工業用途のエネルギーには利用できないとは言われているそうですが、この常温核融合そのものは化学現象として確認されているそうです。今も研究が進められているらしいです。
論文ではないですが、地動説を唱えたガリレオは異端審問所にかけられるほどの出来事でした。しかし、その後の多くの研究で地動説は確固たるものとなっています。
逆では日本の考古学に「ゴッドハンド」の研究者がいて、日本の考古学がとんでもない事にもなりましたっけ。

上記の様に発表当初は「正気の沙汰か?」と思われた事でも、後にその着想は正しかったことが証明されることもあります。勿論、まったく否定される事の方が膨大だとは思いますが。

たぶん、数年前であればSTAP細胞の論文が発表になっただけで、これほど話題になる事はなかったでしょう。
根本的にSTAP細胞がどういうものかを私を含めた多くの人が実感,体感できるのは研究が確立して一般広くメリットが出る実用化してからのお話です。
話 はそれますが、以前某議員が事業仕分けでスーパーコンピュターの研究について「1位じゃなきゃダメなんですか?」といった事があります。あの言葉について は多くのエンジニア(と、それに乗っかったメディア)が反感を持ちましたが、私は「あれはあれで正しい」と思います。ほとんどの人は「スーパーで魚や米が安く買える」事や、「自動車 会社の輸出が増えて下請け会社も含めて景気が良くなった」という方に圧倒的な関心があります(裏を返せばスパコンなんてどーでもいい)。その漁業や農業に役立つ天気予報や、自動車の設計にスーパーコンピューターが支えていても、そんな事は知りません(乱暴な言葉でいえば「知る必要がない」から)。
今回話題になったのは、山中教授がiPS細胞についてノーベル賞を受賞し、それに続く研究成果と思われたことにプラスして、STAP細胞の研究者が若い女性であったことからメディアが食いつき過熱報道に至ったと思っています。そして、その研究に疑問点がでたあたりから近年流行している(?)、「叩き」に陥ったと。

勿論、今回の論文のメインとなったユニットリーダーはどこかのタイミングで真実について発表するのが良いと思います。
今日現在、過激な方向に走る週刊誌を中心に「ねつ造」として確定した感もありますが、今回の論文の作成に問題があったとしても、発想そのものが正しかったと追試で証明されてしまった場合や、後に別の研究者がこのSTAP細胞騒動から新たなる着想を得て研究を行い、それがとんでもない成果を出した場合はどうなるでしょう?その研究者が受賞の際に「STAP細胞の騒動が発想のきっかけだった」とインタビューに答えたらどうなるでしょうね。

メディアはローマの異端審問所じゃないし、世間一般の事件事故に関する報道にしても裁判所じゃないと思うのですが。