私はインフラ屋さんの前は機器開発の仕事をやっていました。たぶん、この頃の経験が今のポリシーに結びついているような気がします。

社会人になって最初の仕事は護衛艦の仕事。イージス艦のイージスシステムに関するインターフェース回路の開発でした。センサー(レーダーとか潜水艦を見つけるソナーとか)とコンピューター等をつなぐ部分ですね。
この仕事をしている時に、当時の上司だったかな?に言われたのは次の一言です。

「遠藤さんね(今日は実名を書いちゃう!)、この回路が止まるでしょ?戦争中なら敵をやっつけられないから国を守れない。逆に敵に先に攻撃されれば船は沈んで乗っている人は死んじゃうんだよ」

勿論、2重3重の策はシステムとして持っているのですけれど、人の命が関わっているのだから、他のバックアップに頼るのではなくて自分の作った物は責任を持てという事を入社1年目から教えられました。

次はボタン電話機の開発の仕事。日通工(現NECインフロンティア)さんでお世話になっていました。この時、私の面倒を見て頂いていた方に繰り返し言われたのは次の事です。

「遠藤さん、電話が止まるでしょ?110番通報もできなければ消防車や救急車を呼ぶ事もできなくなっちゃうんだ。だから、何があっても絶対に止まらない事を肝に銘じて作らなくちゃダメだよ」

うむ。こんな環境で10年間程開発の仕事をしていました。だから、常に頭の隅にあるのは「人命」なんです。
今はインターネット関係の仕事ですから、直接人命に影響する事は少ないのですけれど、それでもやっぱり造りこみっていう事には凄くこだわっています。
私の技術力なんて大したことは無いし、私が全力を尽くしても100%の製品やサービスを造りこむことができないのは分かっていますけれど、だからと言って造りこみをやらなくて良いという訳では無い。

最近では費用対効果やサービスの重要性を考慮してバランスを取る事を心がけていますけれど、何処でバランスを取るのかを考えるのも楽しいものです(^-^)