集合住宅のインターネット2(VDSL その1)
これから掲載する記事は後日更新する事があります。あらかじめご了承下さい。
・VDSLって何?
VDSLとは「Very high-bit-rate Digital Subscriber Line」の略です。電話線をはじめとする2本の電線(メタルケーブル)を利用してデータを送る方法です。
よく似た名前としてADSLが有名ですね。ADSLは「Asymmetric Digital Subscriber Line」の略ですが、使い方のイメージはほぼ一緒です。
ADSLとVDSLの大きな違いは、こんな感じでしょうか。
・ADSL
数kmの間でデータ伝送を行う事ができます。その為、電話局と一般家庭等を結ぶ方法として開く普及しました。メタルケーブルを使うデータ伝送の方法としては比較的長距離で高速の伝送を行う事が可能です。
最大速度は下り側で50Mbps前後です。ちなみに、「LAN」と一般的に呼ばれるEthernetでは最長100mが規格になっています。
また、親側(通称DSLAM)は電話局の局舎内に置かれる事が多いため、多回線を1台で収容できるような設計が多く、機器も大型になりがちです。
・VDSL
ADSLより高速なデータ伝送ができる(量産品としては下り側100Mbps前後。150Mbps機も開発が進んでいるはずです)反面、伝送距離は大幅に短くなります。
メーカーによって、また製品によっても異なりますが、だいたい最大300m前後として設計されている製品がほとんどです。
その為、電話局から一般家庭といった数kmに渡る伝送路(ケーブルと考えてください)には使えませんが、ビル内やマンション内といった伝送路長が限定される場合には有効な方法です。
設置スペースが限られ、収容回線数も少ない事が多いため、比較的DSLAMは小型な設計となっています。
・VDSLの他にはどの様なものがあるの?
VDSLやADSLの親戚として、SDSLやSHDSL,HomePNAといった規格もあります。これらを総称してxDSLと呼びます。
・VDSLで「**Mbps」とパンフレットに書かれているが、本当なの?
はい、概ね正しいです。概ねと書いたのは「限られた状態であれば、そのくらいの速度はでます」という表現の方が正しいかと思います。
速度が出ない理由としてはいろいろな要因があります。干渉,減衰,反射が大きな要因でしょう。
例えば、某社の「最大50Mbps」と公表されていた機器(速度をとって50Mbps機などと呼びます)で本当に50Mbpsが出たのはDSLAMと宅内モデム間の伝送路長が数mしかなかったという実話があります(これは同じ機器をテストした複数の企業さんが言っていましたから、そうそう外れてはいないでしょう)。
ここまで極端な例は少ないですが、メーカーの設計ポリシーによっても変わってきます。
集合住宅などで「100MbpsのVDSL機」だからといって100Mbpsでる事はまずないでしょう。
この辺の詳細は後日。
時々更新しながら、続きます。
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