mixiニュースより転載です。

「物を売る時、一生懸命になると売れない」というのは正しいと思います。
オートバックスでバイトをしていた時に心がけていたのは、「物を売ろうとしない」です。

例えば、エンジンオイル。
オイルのコーナーにやってくるお客さんは、少なからずオイル交換をしてみるか!?という方が大半なので、別に売り込む必要はありません。お客さんの車にあったオイル選びのお手伝いをするだけで、極端な話ではオイル選びが終わったらそのお客さんから離れてしまっても良い位です。だって、お客さんに興味を持ってもらう所まで行ったのならば、あとは自ずから買っていただけます。ここを頑張っておきゃくさんについてセールスしていたバイトさんは販売数が伸びていませんでした。

ベタベタしすぎないように気をつけて、明るくフレンドリーに接すれば自ずから販売数は伸びます。

範疇外なのですが、レーダー探知機もかなり売りました。社員さんはノルマもあるので高価な高級機を勧めるのですが、私は逆。それとなく予算を聞いて、その枠内で余分な機能が付いていない安価な機種を勧めていました。そうすると、お客さんも「無理に高い物を買わせようとしないな?」と思っていただけるらしく、私の事を全面信頼してもらって満足のいく買い物をしてもらっていた様です。

タイヤチェーンも売れ筋は2万円台のゴムチェーンなのですが、私はしょっちゅう4万円台の最高級品のデモをやっていました。このチェーンは確かに優れているので、その良さを分かりやすく説明できればドンドン売れます(^-^)

下記の文中にもありますが、「商品を買ってもらうのではなく、私を買ってもらう」という気持ちで接すればよいと思うのです。


洋服を買いに出かけた時、やたらと店員から話しかけられ、「買う気がなくなった」という方は多いかもしれない。特に、これという目当ての商品があるときは、話しかけられることが余計に面倒になるもの。

『心を打つちょっとした気の使い方93』の著者・山崎武也氏も、「ネクタイを買う」という具体的な目的がある場合でも、色々と話しかけられると全く買う気が無くなってしまうことがあるという。

山崎氏によれば、人には「あまのじゃく」な性格があるとか。ちょっと欲しいと思ったものでも、相手が売り込もうと必死になったら、あまり買いたくなくなるもの。逆に、欲しいと思っていなくても、それが手に入りにくいとわかれば、途端に買いたいと思ったりする。

その心理を利用して、販売時間を短くしたり、販売数を限定したりする方法がある。この「限定販売」なら稀少価値も加わるので、余計に欲しいと思う心理が働く。しかし、この手法もあまりに露骨すぎると、かえって買う気を失わせてしまう。客の心理は複雑なのだ。

そんな客の心をつかむには、「その人と友人になるくらいの心構えで望むこと」が最適だと矢崎氏。商品を無理やり売り込むのではなく、客自らに興味を持ってもらうように仕向けること。そうしたことが、あまのじゃくな客の心理を捉える上で、一番の近道だという。

昔から商売の世界では、「販売の極意は商品を売ることではなく、自分を買ってもらうことにある」と言われている。商品そのものよりも、販売する人の人柄こそが重要なのだということを、この言葉は表している。

『心を打つちょっとした気の使い方93』
著者:山崎 武也
出版社:三笠書房