マニュアルが全てとは限らない・その3
マニュアルに関するエントリーを2つ書いてみました。
シローソンさんからコメントを頂き、更に自分で読み返してみると・・・分かりづらいなぁ。そして理論が破たんしている様に読める文章だな・・・と自己嫌悪。私は本当に文才が無いですな。
さて、マニュアルについてですが、確かにその効果はあります。これは疑う事が無い事実です。
しかし、マニュアルと言う考え方が普及するにつれてこんな人も増えてきました。
「マニュアルが無いと何もできない」という若手社員に何人も出会いました。そして、気づいた事があります。
ここからは凄い暴言と偏見が混じっています。予めご了承ください。
私はとある会社に転職しました。一応、IT関係の特定人材派遣業なのですが、ITの知識は皆無でも採用されるいう会社でした。ITの知識が皆無でも、会社は特にフォローする事も無く本人の努力にのみに頼る会社でした。
私は体調を崩していた時期でしたので、リハビリ感覚でこの会社に転職したのですが、本当に酷かった。
自分で何も考える事が出来ない社員がゴロゴロしていました。それこそマニュアルが無いと何もできない。指示が無いと何もできない。こんな社員が大勢居た会社でしたね。社員が退職しても、新たに採用すればすぐに穴が埋められる、こんなレベルの低い会社です。要は誰でも良いのです、頭数さえ揃っていれば。
だから、生産性がものすごく悪い。社員一人を派遣として客先に常駐させて、一人が稼げる利益が月に10万円とかザラでした。この社員が稼げる年間の利益が120万円ですよ!?信じられない世界でしたね。
その少し前まで6年半勤めていた会社では、社員一人当たりの粗利目標(粗利ですが)が年間2000万円でした。私もこの数字を約6年間キープしていましたから、そのギャップに驚いたものです。
この差は何なのかを考えてみれば、とても簡単でした。自分で考えられる社員なのか、自分で考えられない社員なのかの差なのです。
先の利益が120万円/年な会社でしたが、マニュアルらしいものは見た事があります。確かに、そのレベルまでは割とすぐに到達できる。これはマニュアルの効果であり、認めなくてはなりません。ただし、そこからが・・・差が出ます。
ファストフードの様な外食産業とかでは接客業といってもルーチンワークに近いですから、マニュアルがあれば事足りるのでしょう。しかし、同じ外食産業でも料亭とか飲み屋でも居酒屋ではなくクラブとかになればお客様との応対の中から、次にどうするかを考えなくてはなりません。その接客に満足するからこそ、お客は1杯280円のビールではなく、数千円,数万円のボトルを入れる訳です。頭を使って付加価値を高めないと稼げない。これはどうしようもない現実ですね。
それと、もう一つ。インターネットが普及してから、自分で確かめる事無く情報を鵜呑みにする人が増えたと思います。一番最初の私の仕事であった回路設計では、書籍などで勉強したら必ずと言って良い位に自分で確かめていました。部品や道具を買い揃え、自分で買えない高価な機材は誰も使っていない時間を狙って実験をする。これの繰り返しだった記憶があります。
インターネットが普及し、検索がとても便利にできる様になってから、調べてはみるもののその情報を全面的に信じて自分で確かめ様としない社員に沢山出会いました。例えば、コンピューターのハードディスク。仮に100GBという容量があっても、フォーマットをすれば使える容量は減ります。これがRAIDと言われるハードディスクの安全化を行えば、データが飛びにくくなる代わりに自由に使える容量はもっと減ります。
とある客先にサーバの設計仕様書を書いた時の事。若い社員に使えるハードディスクの容量を調べてから仕様書に書くようにと指示を出しました。この若い社員はインターネットを使って情報を検索し、「**GB」と仕様車に記載しました。これを見て、「確認した?裏を取った?」と聞いてみれば、「インターネットにそう載っていました」と平然と答えます。確かに、試してみる機材が無ければしょうがないかなぁ?とも思えるのですが、社内に実験用の機材があって、直ぐに確認できるにも関わらずです。こんな例はこの10年本当に増えた気がします。
これって、仕事だけじゃなくて色々な事にも言えるのではないでしょうか?
例えば韓国との問題。色々な情報があり、それぞれの立場や考え方があり、見方によっては解釈が大きく異なるはずです。ところが、「インターネットに出ていた」という情報をそのまま鵜呑みにしてしまい、少なくともすぐに調べる事が出来る、同じくインターネットに流れている別の角度からの情報には目もくれず盲目的に信じてしまう。情報を疑わない、これと似ている気がします。
マニュアルの話から脱線しましたが、マニュアルはツールの一つであって全てではないとやっぱり思います。
マニュアルに全てを網羅する事は現実的に不可能です。そもそも、マニュアルに書けるくらい「事前に想定できる」事ならば、そもそもその問題は潰しておかなくてはならないはずです(特にインフラ屋をやっているとそう思います)。想定できない事が起こるからこそ、障害になるのであり、事故になるのです。
震災の直後、ニュースとか討論番組を見ていると「マニュアルが無いから対応できない」とかの話を良く見聞きしました。なんだかなぁ?と思ったのです。
アップルの製品にはマニュアルがついてません(あっても読まない)。
でも、手に入れてすぐ使えるんですよ。
Winは一太郎Ver5(桐も)でMacは漢字Talk7ときのExcel-Ver4のとき、
非常にギャップを感じました。
Macはこうしたいから、こうしたら、できたってことが多いです。
マニュアルには”こうしたい”と思う動機付けまでは書けないです。
そこまで書いたマニュアルをつくれっていう上司は困ったものですが(現状)。
カトーさんもご苦労されていますねぇ?。
本当に難しい事なんですけれど・・・理解されないですね。