大阪で中学生の遺体が遺棄されていた事件。
逮捕された容疑者が福島の除染作業に携わっていたと報道されています。

これ、先日のビットコインの時と同様に、報道側が意図的なミスリードをしていると感じます。

まず、容疑者が除染作業に携わっていた事と、殺人を犯した事(と確定するのならば)は直接の因果関係は無いですよね。犯行の動機を自供する中で仮に「除染作業の待遇が良くない」とだけ語ったとしても、それは直接の動機ではない可能性が高いです。待遇が良くなくて金に困り強盗殺人を働いたという因果関係が語られるのであればまだ話としては理解できるのですが、現時点では殺害を否認しているそうですから因果関係は分からず、第三者の憶測でしか過ぎない。
例えば、容疑者が同じ福島にある工場でもの作りに携わっていたとしましょう。この場合、「福島の工場で働く派遣社員の犯行か?」という見出しにはまずならないですよね。最近の流れだと「派遣社員の犯行か?」とだけ書かれるでしょうから、働いている場所とか詳しい仕事内容までは分からない事がほとんどだと思います。

では、なぜ除染作業員だと大きく書かれるのだろう?

確かに、除染作業は作業員の希望者が少なく、人員の確保が難しいと聞きます。実際に、除染対象地域の福島在住の人が、公衆浴場で背中にお絵かきされている方を見たという話も聞きますし、作業員を確保する会社もその筋の方が経営している会社が多いとも聞きます。
今回の事件の容疑者も前科があって普通の職に就くのが困難だったというのもあるでしょう。

容疑者が除染作業員という事が報道されて、除染対象地域の議会では以下の様に決定されたそうです。

大阪府寝屋川市の中学1年生の遺体が遺棄された事件に絡み、福島県川俣町議会は24日、死体遺棄容疑で逮捕された山田浩二容疑者(45)が携わっていた同町山木屋地区の除染作業を当面中止するよう、発注元の環境省福島環境再生事務所に文書で申し入れた。避難指示の解除に向けて31日から国が予定している準備宿泊の延期も求めている。

申し入れは、この日の全員協議会で出席者の全員一致で決定。「除染は個人の敷地に立ち入ることから、作業員と住民の信頼関係が不可欠だ。事件は、住民に大きな不安と恐怖を与えている」とし、中止及び延期期間は「住民の安全安心が担保できる体制が整うまで」としている。

黒沢敏雄議長は「容疑者は黙秘していると報道されている。裁判の結果を待っていては何カ月かかるか分からない。住民の安全・安心に早くこたえることを優先した」と話した。

朝日新聞DIGITAL(2015.8.24の記事より引用)

勿論、除染作業は個人の敷地に立ち入りますから、不審者には入って欲しくないという住民の方の心情は十分に理解できます。とは言え、以前から清廉潔白の作業員ばかりでまったく気づかなかったという事は無い様に思いますから、今回の件で表立ったのでしょう。

私個人としては、今回の報道は寝屋川の遺体遺棄事件と福島の除染とは直接の因果関係がないにも関わらず、寝屋川の事件をトリガーとして福島に目を向けさせる報道機関の意図的なミスリードだと感じています。