防災考古学。これは私が先ほど作った造語なのですが、一般的には環境考古学とか地震考古学などとも言われるようです。

東日本大震災の津波では大きくな被害が出ましたが、震災後に神社やお地蔵さん等を調べてみたら、「過去の津波でここまで水が来た。これより下に家を建てるな」という目印と思われる場所が結構あったそうです。これが津波だけではなく、現在も捜索活動が続いている広島でも、被災地域に鉄砲水等について書かれた碑(?)があったと読売新聞に掲載されていました。

たぶん、日本各地には津波や鉄砲水だけではなく、色々な災害について先人達が未来に向けて記憶に留めようとした建物や碑が多く残っているはずです。地元の人しか知らない・・・いや、地元の人ですら存在を忘れている目印があるのかもしれません。
今後起こるであろう災害の規模と、過去の災害の規模が一致するとは限りませんが、今からでもこういう記録を掘り起こしてデータの蓄積と分析を行えば、未来の減災につながるかもしれません。
よく見られる遺跡の発掘とは違い、無数にある神社,石碑,植えられた木等を調べてまとめる事は、その結果が多くの人の目をひくものではありませんし、その研究資金ですら集めるのは難しいでしょう。とにかく膨大な労力がかかるのは目に見えています。
でも、この先人の経験に最新のシミュレーションを組み合わせたら、防災(減災)に新しい可能性が見つかるかもしれませんし、シミュレーションの補正でより精度が向上する可能性もあります。でも、実行はやっぱり難しいのかな。。。