先日はんだ付けのエントリーを書きましたが、コメントを頂いたシローソンさんだけでなく、現場でも比較的若い人から「良くはんだ付けできますね」と言われる事がありますので、ちょっとだけ公開(^ ^)/

今使っているはんだごては特殊な物ではないです。
一応、電子回路用ではありますけれどホームセンターでも買えるような物ですね。
こて先はこんな感じで、そんなに細い物ではありません。
IMGA0927
ね?普通でしょ??(^ ^)
※本当は商品名が「コテペン」というセラミックヒーターのはんだごてで、細いこて先が斜めにカットされている物が好きなんですけれどね(笑)

先日のエントリーでも書いたちょっと特殊な場合とか、QFN,QFPなんていうパッケージで、ピン間が1mmとか0.5mmになると「細いはんだごてが必要でしょ?」とよく言われるのですが、さすがに工芸用のはんだごて程ゴツイ物は使いづらいのですけれど、こて先が細すぎても使いにくいと思います。
理由は簡単で、ピンを一つ一つはんだ付けしているのではなくて、何本かのピンを一度にはんだ付けしているイメージが一番近いでしょうか?
「それだとピンとピンがつながるんじゃない?(はんだブリッジ)」と思われるかもしれませんが、何本かのピンを同時に温めてはんだ付けしながら、はんだそのものの表面張力を利用するのですね?。
ただし、はんだそのものの表面張力だけではちょっと足りないので、フラックスも併用します。
例えば、0.5mmピッチで30本ピンが並んでいるとします。こういう場合、先に書いたように1本ずつチョコチョコとはんだ付けをしていくのではなくて、並んだピンの上をなぞる様にピューっと引っ張るんです。こうするとキレイにはんだ付けできるんですね?(^ ^)

同じ理由で、ツーっと舐めるようなはんだ付けをする時ですと20Wクラスのはんだごてでは熱量が足りない場合が多々あるので、30Wとか40W(この場合、温度を落とす)とかを良く使います。

またはんだもそれほど細い物ではなくて、私が良く使うのは1mmか0.8mmです。0.6mmといったはんだもありますけれど、細いとはんだづけをする際に送り込む量が多すぎて使いづらい様に思います。

昔は回路設計担当者が自ら試作して動作するまで作業をするので、製作部門程じゃないにしても結構みんな色々な技を持っていたと思います。
※はんだ付けではないですが、例えば6層基板の内層パターンをカットする技とか・・・(笑)

私も20代の頃にちょうど表面実装部品が一般的になってきた時期でもあります。その頃常駐していた客先では試製課という試作専門の部署があって腕利きの職人さんが沢山いたのですが、他の製品とスケジュールがバッティングすると中々組み立てをやってもらえない。で、その職人さん達の作業を見たりしてだいぶ練習しました。
当時より部品は小さくなっていますけれど、基本は変わらないので今でもこういう作業は得意だったりします(笑)
若干時間はかかりますけれど、チップ部品でも0603と言われるサイズ(0.6mm×0.3mmの抵抗とかコンデンサとか)は手作業ではんだ付けできますよ。もっとも、老眼が進んできたので見えない事も多々ありますが!(爆)

それでも組み立て専門会社のパートのおばさんとかのはんだ付けは本当にすごいですよ。
「そのクオリティをそのスピードでできるのっ!!!」と思う事もしょっちゅうです(^ ^)