読売新聞の記事より。

埼玉のある医師会で、インフルエンザの予防接種に関してカルテルを結んでおり、公正取引委員会の立ち入りがあったと報じられていました。
記事によれば、「4450円以上とする」という取り決めがあったそうです。過去には三重県で「3800円以上とする」というカルテルが発覚した事があるとか。カルテルで立ち入りがあったのは異例なのだそうです。
※それ以外は、厚生省が1度(1年)だけ「3600円に統一する」という通知を出した事があるそうですね。

カルテルとか談合と呼ばれる行為はよく建設業が話題になりますけれど、どこの業界にもあります。私が担当ではないですが勤めていた会社でもありました。
勿論、この行為が正しいとは思いませんけれど、ある面からみればやむ追えない場面もあります。

例えば、一時期話題になった「1円入札」があります。これは自由競争という面からみれば正しいです。反面、1円で落札しておいて、他の案件で回収を見込むというプランが立てられる体力のある大手ではできる戦術ですが、資金体力が乏しい中小企業では必要以上の価格競争は存続にかかわる場合もあります。
必要以上に叩きあって、体力があるところだけ生き残るというのは資本主義の姿でもありますけれど、一極集中になってしまい大手のみが生き残るという事が起きます。すると、競争相手がいなくなってしまえば、あとは好き勝手に出来るという誰しも望まない状況も起こりうるわけです。

必要以上の利益を出す事は言語道断ですが、企業などが存続する手段として必要悪の部分は少なからずあります。

ただし、今回の件はちょっと悪質です。
インフルエンザの予防接種の相場は、自費診療だと3000円?6000円が相場だそうです。先の三重県の例でも3800円と言うラインが設定されました。
ところが今回は4450円以上だという事なのです。ちょっと取りすぎじゃない?と思います。これでは公正取引委員会も立ち入らざる得ない設定ですね。

繰り返しになりますが、カルテルとか談合と呼ばれる行為を推奨するつもりは毛頭ありません。しかし、どんなにお役所が規制しても、目をかいくぐって必ずどこかで行われます。その企業等が存続していくための最低限必要なカルテルならば、お役所も見て見ぬふりをする事か出来ます(絶対に認めないと言うでしょうが)。
4450円。「必要なカルテル」ではなく、「儲けるためのカルテル」だと思うのは私だけでしょうか?