昨晩、映画を見てきました。
私はあまり多く映画を見る方ではなく、年に数本くらいです。でも、レイトショーがお手軽でお気に入りのワーナー・マイカル・シネマズ新百合ヶ丘で「華氏911」を見てきました。

アメリカの現政権に対しては、好きでも嫌いでもないのですが、ブッシュ政権への反対運動を映画のような手段で行うのはどうかとも思います。非常に効果的な方法であるからこそ、正しい方向へも間違えた方向へも世論の誘導はできるわけで、旧ナチス政権や戦中の日本でも映画等で正当性をアピールしたという歴史もあるわけで・・・
だからこそ、この様な方法には少し慎重に構えています。

映画としては前半はブッシュ政権に対する批判が前面に出てきていますが、後半部分では考えさせられる部分があります。
それは、イラク戦争の是非ではなく、戦争そのものの是非について。
戦争の悲惨さを訴える映画は多くあったと思いますが、ごく最近のアフガニスタンへの空爆やイラク戦争を扱っている事から身近に感じることができました。

ごく短時間の短いシーンですが、日本のTV等ではモザイク処理されているようなシーンも挿入されていて、「うわっ!」と思うところもあります。

映画の話題からは離れますが、やはりメディアの力はすごく強いものだと思います。公平性が高いと言われているBBCのニュースでも、今、起きている事件や事故を放送するからには必ず編集が入ります。その編集をする人の視点で映像が流れ、万人が分かりやすい(受け入れやすい)映像だからこその威力があると思います。こういった点については、偏っていると言われることもあるアメリカの報道でも対極である両者の意見を流す事により、最終的な判断は視聴者に委ねる姿勢があります(CBSのイブニングニュース等。TBS系で深夜に日本語版を放送しています)。勿論、その内容が必ずしも正しいとは限りませんが、少なくとも一方的な価値観の押しつけは減るでしょう。
日本の報道も追従して欲しいものです。
日本でもニュースステーションの「所沢・ダイオキシン報道」の例もあることですし・・・

華氏911ですが、見るのは悪くないと思います。こういった政権に対して自分の視点をぶつける監督というのもすごいものがありますし、意義があるでしょう。
ひとつの考え方として見る分には良いと思うのです。ただ、某テレビ番組でも触れていましたが、イラク戦争の真の意味は・・・という部分では確かに華氏911でも触れられていないですね(イスラエルのための戦争という見方もある)。